高齢化で注目のサルコペニアの意味と診断基準、原因・改善方法
あまり聞きなれないサルコペニアという言葉、どのような意味なのかという方も多いかも知れませんね。今、高齢化の進む現代社会において、健康で長寿を叶えるために考えていきたい大切なひとつの要素として、注目されているものなのです。
まだまだ若いから関係ない…なんて強がりつつも、少し気になったので今回いろ
いろと調べてみました。
サルコペニアとはどんなものなのか、肥満との関係や症状・診断基準はどうなっているのか、予防や改善方法はあるのかなど、ご紹介していきたいと思います。
サルコペニア肥満の症状やその診断基準とは?
サルコペニアとは、加齢に伴って生じる骨格筋量および骨格筋力の低下を意味する言葉です。老化により人は誰でも、握力や下肢筋、体幹筋など全身の筋力が低下していくことは、みなさんご存知ですよね。
筋力の衰えとともに歩くスピードが遅くなる、歩行に杖や手すりなどの補助が必要となる、ペットボトルやドアノブなど力が入らず開けられないなど、身体機能も低下し始めます。
これらの症状は歳を重ねていけばある程度当たり前のことではありますが、症状があまりに進むと、身体的障害、生活の質の低下、ゆくゆくは死へもつながるなど有害なリスクが多く潜んでくると考えられています。
サルコペニアという言葉は、ギリシャ語で筋肉(sarx)と喪失(penia)を繋げて作られた造語です。言葉の意味する通り、筋肉が失われることによって起きる、様々な症状を指しています。
そんなサルコペニアの診断基準は以下の通り。
・筋肉量の低下
・筋力の低下
・身体能力の低下
高齢化が進む現代社会において、様々な研究や論文が発表されるなど、全世界的にみても健康長寿の重要なファクターとして、注目をされているのです。
サルコペニアの発症は高齢者・若年層にも?原因や問題は何か
サルコペニアの発症や進行にはいくつかの原因とメカニズムが深く関係していると考えられていますが、簡単に言えば衰え失われていく筋肉の量に、新しく作られる筋肉の量が追いつかず、筋肉量がどんどん減っていってしまうということ。この状態は加齢に伴う老化はもとより、病気やその他の要因により、40代などの若いうちから発症することもあるのだそうです。サルコペニアにはいくつか原因があり、以下のように種別されています。
【一次性サルコペニア】
・加齢性サルコペニア:加齢以外に明らかな原因がないもの
【二次性サルコペニア】
・活動に関連するサルコペニア:寝たきり、不活発なスタイル、(生活)失調や無重力状態が原因となるもの
・疾患に関連するサルコペニア:重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍や内分泌疾患に付随するもの
・栄養に関係するサルコペニア:吸収不良、消化管疾患、および食欲不振を起こす薬剤使用などに伴う、摂取エネルギー、タンパク質の摂取量不足に起因するもの
サルコペニアは一見、標準体重・標準BMI値の場合にも発症していることも多く、体重管理や健康診断では分かりにくいというのも特徴のひとつ。また筋肉量が低下しているにもかかわらず、標準体重を超えてしまっているサルコペニア肥満の状態となると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの健康リスクが高くなったり、抑うつ状態を発症する率も高くなるのだそう。人間の身体にとって、筋肉がいかに大切なものなのか、とても考えさせられますね。
サルコペニアの治療・改善には食事による栄養と運動も大切
サルコペニアの予防や改善には食事・運動が非常に重要な役割を担うと言われています。ではそれぞれどのような点に気をつければよいのでしょうか?
・食事
筋肉をつけていくためには低栄養とならないようバランスのとれた食事が大切です。中でも積極的に摂りたいのがタンパク質。肉(特に赤身肉)や魚、乳製品などの動物性タンパク質を毎日の食卓に取り入れます。またアミノ酸が豊富な鶏肉やマグロ、エネルギー源としての糖質、骨粗鬆症予防にもなるカルシウムやビタミンDも忘れずに摂取しましょう。
・運動
筋肉量の低下に効果があると言われているのが、筋肉に適度な負荷をかけるレジスタンス(抵抗)運動。特にふくらはぎや太ももを鍛えることは効果的とされていますので、日常生活の中でムリせずできる範囲で、スクワットや片足立ち、カカトの上げ下ろし運動などを取り入れます。
これに軽いウォーキングなどの有酸素運動とプラスするとさらに心強い。高齢の場合は高負荷である必要はないですので、継続して行うことが大切です。
サルコペニアをご自分で診断できる簡単な方法が指輪っかテスト。左右の人差し指同士、親指同士を合わせて作った輪っかで、ふくらはぎの1番太い部分を囲んでみます。輪っかがふくらはぎの太さよりも大きいと、サルコペニアの可能性があるのだそう。ご自宅で簡単にできるので、気になる方は試してみてくださいね。
まとめ
寒い冬の時期、ついつい動くのが億劫になって近所への買い物すらクルマを使ってしまったり、なるべく階段を避けて楽をしようと無意識のうちに考えてしまいますが、それでは良くないなあと改めて感じました。
と言って夏は夏で暑いし、外で活動するのもツラい…。しかしそんなことばかり言ってないで、動ける今のうちから積極的に体を動かすことって大切ですね。
バランスの良い栄養のある食事にも気をつけながら、筋力の低下をできる限り緩やかに、できれば筋力アップを目指していきたいと思います!