手紙・メール・文書を送る時、宛名の敬称の使い分けは大丈夫?
ビジネスや個人でも、手紙やメール、文書などを送るときに注意したいのが宛名の敬称ですね。
特に、間違えやすいのが「御中」と「様」の使い分け。今回はお役に立つ「御中」「各位」「殿」「様」の正しい使い方をご紹介します。
1、「御中」
宛名が会社や官庁、学校などの団体や組織、部署あてに手紙を書いたり書類を送ったりするときには、社名や団体名の下に必ず「御中」をつけます。
文中で相手の企業・団体名を書くことはまれで、代わりに「貴社」・「御社」などを使用することが一般的です。
【使用例】
鈴木建設(株)営業部長御中
2、「各位」
皆様という意味です。
大勢の人に同時に出す文書などにあてるときに、個人名を省略するときに使います。
【使用例】
「担当各位」 「会員各位」
「保護者各位」 「父兄各位」
「株主各位」 「関係者各位」
「会員各位」
3、「様」
個人の方への敬称として、一般的に使われています。
企業・団体名や部署名がその人の肩書きなので「御中」は使わず、個人名に「様」を付けます。
【使用例】
鈴木建設(株)営業部長 山下一郎様
「先生」
教育者や特定の職種の個人に宛てる「先生」
教師、講師、医師、弁護士、会計士、牧師、議員、作家などの特定の職業の方は「先生」が使用されるケースも多いですね。
「先生」の後に「様」や「殿」をつけること、個人名の後に役職名を付けた後に「様」をつけないよう気を付けましょう。
二重敬称になってしまうので、注意が必要です。
【 役職名の二重敬称の使用例 】
鈴木部長様
鈴木理事長様
【 役職名と「様」の正しい使用例 】
鈴木部長 営業部長 鈴木一郎様
中村理事長 理事長 中村次郎様
4、「 殿 」
役職名もしくは個人名のついた役職名で手紙を出すときによく使われてきましたが、本当は目下の人への敬称として用いられます。
最近では「様」を使うことが多くなっています。
5、返信用はがきや封筒の「行」の書き換え
往復はがきや応募用はがきなどで、会社名や部署名の後が「行」となっている事があります。
・返信をするときに「行」を「御中」に書き直すのは一般常識です。そのまま返信すると、常識がないと思われたり、悪い印象を与えてしまいます。
・返信用はがきや封筒を送る際も注意が必要です。その場合は反対に、「行」とする必要があります。
(「宛」「行」は往復はがきの返信ハガキなどで、自分を宛先にする場合に使われる表現です。)
・この場合は、「宛」「行」を二重線で消し、送り先が個人か否かによって「様」や「御中」に書き換えて返信します。
※
・宛名に御中がつけられた文書は、宛先の組織に属しているのであれば、だれが開封しても良いということになります。
・「○○部御中」という宛名で届いた手紙があったときは、当部署に属している人であれば、だれが開封しても良いということになります。
まとめ
郵便を送る相手が、個人なのか、個人以外なのかによって、敬称がかわります。
個人なら、「様」、個人以外なら、「御中」をつけます。
宛名書きの記載を間違えてしまったら、新しい封筒やハガキを使って初めから書き直すのが原則です。
宛名が修正された封筒やハガキを受け取ることは、相手にとって決して気持ちいいものではありませんから、できる限り、間違いのない宛名で送ることが大切ですね。